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2024.07.29

製造業の資格おすすめ8選!工場勤務に役立つ資格や取得時のポイントを解説

製造業の資格おすすめ8選!工場勤務に役立つ資格や取得時のポイントを解説

目次

製造業の現場で働く上で、資格の有無はキャリアアップや転職活動の際に大きな武器となります。

本記事では、工場勤務に役立つ国家資格やスキル資格を厳選して8つご紹介。資格取得のメリットや選び方のポイントも解説し、これから製造業でのスキルアップを目指す方に最適な情報をお届けします。

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製造業に必要な資格はないが取得していると有利!

製造業に必要な資格はないが取得していると有利!

製造業で働くために、必ず取得しておかなければならない資格はありません。特に、ライン作業などの場合は、資格がなくても応募・採用されるケースが多くあります。

しかし、資格を持っていると、以下のようなメリットがあります。

メリット1:キャリアアップに繋がる

製造業において資格を取得することは、単なるスキルの証明だけでなく職場内での評価向上にも直結します。専門的な知識や技術を持つ証として認められるため、上位職や管理職への昇進がスムーズになる可能性が高まります。

また、難易度の高い業務を担当する機会が増え、実務経験も豊富になることから、長期的なキャリア形成において強力な武器となります。資格は企業からの信頼を獲得し、自身の成長と共に働く環境の幅も拡がるため、着実なキャリアアップを実現しやすくなります。

メリット2:年収アップに繋がる

多くの製造業の企業では、資格を持つ社員に対して資格手当を支給するケースが一般的です。これにより基本給に加え、毎月の収入が増える可能性があります。

さらに、資格所有者は専門性を活かした責任の重い業務に就くことが多いため、昇進や役職に伴い給与水準の向上も期待できます。結果的に、資格は直接的な報酬アップだけでなく、長期的な収入増加の土台にもなります。

メリット3:転職活動で有利になる

資格は履歴書や職務経歴書に記載できる強力なアピールポイントです。

特に需要の高いフォークリフトや危険物取扱など、現場の必須資格を保有していると、選考過程で優先される可能性が高くなります。資格によって自身の専門性を証明することができ、転職市場での競争力を大幅に高めることができます。

メリット4:スキルアップに繋がる

資格取得に向けた学習は、専門知識や技術力の向上に直結します。現場での課題解決力や作業効率の改善が期待できるため、日常業務の質が向上し、自信ややりがいも増します。

さらに、継続的な学習習慣は新技術や最新の製造方法への適応力を高め、将来的な変化にも柔軟に対応できる力を養います。スキルアップは個人の価値を高めるだけでなく、企業にとっても高い生産性や品質向上に寄与する重要な要素です。

なお、近年では、人材不足の影響もあり、未経験から求人募集している企業も増えています。多くの企業では、研修制度やOJT制度が充実しており、実務をしながらスキルを磨き、資格取得を目指すことも可能です。

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製造業におすすめの国家資格5選

製造業におすすめの国家資格5選

製造業で役立つ国家資格には、以下のようなものがあります。

  • 電子機器組立技能士
  • 機械保全技能士
  • 衛生管理者
  • 危険物取扱者
  • 電気工事士

国家資格の難易度は、民間資格と比較して高い傾向です。しかし、頑張って取得すれば高い知識・スキルレベルが証明でき、より評価につながりやすいでしょう。

電子機器組立技能士

家電や自動車搭載部品など、電子機器の組立て・修理に必要な知識と技能を証明する資格です。特級〜3級まで区分されています。

電子機器、電子および電気、組み立て方、材料、製図、安全衛生が出題範囲ですが、特級ではマネジメント、計画立案の作業試験も出題されます。

試験日程

年1回/学科:7月~9月 
実技:6月~9月

受験資格

●3級:条件なし
●2級:3級合格もしくは 2年以上の実務経験
●1級:7年以上の実務経験か、2級合格後2年以上あるいは3級合格後4年以上の実務経験
●特級:1級合格後、5年の実務経験

合格率(令和4年度)

●3級:62.6%
●2級:48.3%
●1級:46.1%

受験料

実技試験:18,200円 学科試験:3,100円 ※※上記は標準金額で、都道府県ごとに異なるケースもあり

※参考:JTEX 職業訓練法人日本技能教育開発センター

機械保全技能士

工場に設置された機械のメンテナンス・修理など、機械の保全に必要な知識と技能を証明する資格です。特級〜3級まで区分されています。

試験は学科試験と実技試験で構成され、1〜3級は全作業共通のマークシート式の学科試験です。

実技試験は全作業共通で、 3級は機械系保全作業と電気系保全作業から、1・2級は機械系保全作業・電気系保全作業・設備診断作業から試験範囲が選択できます。 特級は、計画立案の技能を測る作業問題が出題されます。

試験日程 (令和6年度の例)

●第1回
3 級(学科):2024 年 6 ⽉ 23 ⽇(⽇)
3 級(実技):機械系保全作業 2024 年 6 ⽉ 23 ⽇(⽇)
      電気系保全作業 2024年6⽉8⽇(⼟)〜7⽉7⽇(⽇)の指定⽇で複数回実施 ●第2回
特級・1 級・3 級(実技・学科):2025 年 1 ⽉ 12 ⽇(⽇)
2 級(実技・学科):2024 年 12 ⽉ 15 ⽇(⽇)
1〜3級(電気系保全作業実技):2024年11⽉30⽇(⼟)〜2025年2⽉23⽇(⽇)の指定⽇で複数回実施

受験資格

●3級:条件なし
●2級:2年以上の実務経験
●1級:7年以上の実務経験
●特級:1級合格後、5年の実務経験

合格率(令和5年度)

●3級:76.4%
●2級:39.5%
●1級:33.8%
●特級:19.7%

受験料

●3級:学科試験のみ4,600円
【23歳未満】
➢学割免税
✧実技試験のみ 6,200円
✧学科実技試験両方 10,800円
➢在職者免税
✧実技試験のみ 7,700円
✧学科 実技試験両方 12,300円
➢減免
✧実技のみ 11,600円
✧学科 実技試験両方 16,200円
【23歳以上】
➢学割
✧実技試験のみ 10,000円
✧学科 実技試験 両方 14,600円
➢一般
✧実技試験のみ 15,400円
✧学科 実技試験 両方 20,000円
●2級〜特級:学科・実技試験ともに20,000円
➢学科試験のみ4,600円
➢実技試験のみ15,400円

※参考:公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会

衛生管理者

職場における衛生管理を行うための、知識と技能を証明する資格です。衛生管理者は、従業員50人以上の職場に最低1人置くことが義務付けられています。

衛生管理者免許は第一種と第二種に区分され、第一種は関係法令・労働衛生・労働生理から、第二種はそこから有害業務に関わる内容を除いた範囲が出題されます。

試験日程

毎月(※受験地によって異なる)

受験資格

●高卒・高認試験合格者:実務経験3年以上
●短大・専門学校・大学の修了者:実務経験1年以上
●その他:実務経験10年以上

合格率(令和4年度)

●第一種:45.8%
●第二種:51.4%

受験料

6,800円

※参考:公益財団法人 安全衛生技術試験協会

危険物取扱者

消防法で定められた「危険物」の取扱いに関する、知識と技能を証明する資格です。ガソリンスタンドをはじめ、食品・医薬品を取り扱う企業でも必要となるケースがあります。

危険物の6分類のうち、全ての危険物を扱える甲種、合格した種類の危険物が扱える乙種、第4類の一部 危険物が扱える丙種に区分され、それがそのまま出題範囲となっています。

試験日程

毎月(※受験地によって異なる)

受験資格

●乙種・丙種:条件なし
●甲種:化学系学科の卒業(もしくは大学で化学関連の授業を15単位以上取得)、あるいは乙種取得後に2年以上の実務経験 など

合格率(令和6年4月年度)

●甲種:44.8%
●乙種
➢第1類:75.1%
➢第2類:67.8%
➢第3類:73.4%
➢第4類:42.1%
➢第5類:74.9%
➢第6類:79.4%
●丙種:61.0%

受験料

●甲種:7,200円
●乙種:5,300円
●丙種:4,200円

※参考:一般財団法人 消防試験研究センター

電気工事士

電気設備の工事を行うための、知識と技能を証明する資格です。500kw未満の自家用電気工作物の工事が可能な第一種と、600v以下の一般用電気工作物の工事が可能な第二種に区分されます。

第一種・第二種ともに、学科と技能の2試験があり、出題範囲は非常に広範です。

第一種学科試験の出題範囲

第一種実技試験の出題範囲

1. 電気に関する基礎理論
2. 配電理論及び配線設計
3. 電気応用
4. 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
5. 電気工事の施工方法
6. 自家用電気工作物の検査方法
7. 配線図
8. 発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
9. 一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令

1. 電線の接続
2. 配線工事
3. 電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
4. 電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
6. 接地工事
7. 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
8. 自家用電気工作物の検査
9. 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

第二種学科試験の出題範囲

第二種実技試験の出題範囲

1. 電気に関する基礎理論
2. 配電理論及び配線設計
3. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
4. 電気工事の施工方法
5. 一般用電気工作物の検査方法
6. 配線図
7. 一般用電気工作物の保安に関する法令

1. 電線の接続
2. 配線工事
3. 電気機器及び配線器具の設置
4. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
6. 接地工事
7. 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
8. 一般用電気工作物の検査
9. 一般用電気工作物の故障箇所の修理

また、試験について詳細は以下のようになっています。

試験日程 (令和6年度の例)

【第一種】
● 学科試験
上期:CBT方式 4/1~5/9 (39日間)
下期:CBT方式 9/2~9/19 (18日間)、筆記試験 10/6
● 技能試験
上期: 7/6 (土)
下期: 11/24 (日)
【第二種】
● 学科試験
上期:CBT方式 4/22~5/9 (18日間)
下期:CBT方式 9/20~10/7 (18日間), 筆記試験 10/27
● 技能試験
上期:7/20 (土) または 7/21 (日)
下期:12/14 (土) または 12/15 (日)

受験資格

条件なし

合格率(令和5年度)

●第一種技能試験:60.6%
●第二種学科試験(上期):59.9% 技能試験(下期):68.8%

受験料

【第一種】
●インターネット申込み:10,900円
●郵便による書面申込み:11,300円
【第二種】
●インターネット申込み:9,300円
●郵便による書面申込み:9,600円

※参考:一般財団法人 電気技術者試験センター

【関連記事】電気工事士の仕事内容は?年収や向いている人・資格や受験資格まで詳しく解説

工場勤務に役立つ資格3選

工場勤務に役立つ資格3選

製造業で働くにあたり、取得が必須な資格はありません。 一方で取得しておくと、仕事の幅が広がる、キャリアアップが期待できるような資格もあります。

特に 工場勤務で役立つと考えられる資格の例は以下の通りです。

  • ボイラー溶接士
  • ボイラー整備士
  • ガス溶接作業主任者

中には作業経験が問われる資格もありますが、現場で経験を積みながら取得を目指すことができます。

ボイラー溶接士

溶接で作られたボイラー・第1種圧力容器の製造・改造・修理に必要な、知識と技能を証明する資格です。「普通」と「特別」に区分されます。

試験は学科試験と実技試験があり、 学科試験の出題範囲は、普通・特別共通で以下の通りです。

  • ボイラーの構造及びボイラー用材料に関する知識
  • ボイラーの工作及び修繕方法に関する知識
  • 溶接施行方法の概要に関する知識
  • 溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識
  • 溶接部の検査方法の概要に関する知識
  • 溶接機器の取扱方法に関する知識
  • 溶接作業の安全に関する知識
  • 関係法

普通の実技試験は「下向き突合せ溶接及び立向き突合せ溶接」、特別の実技試験は「横向き突合せ溶接」です。

試験日程

例年8月、1月の年2回

受験資格

●普通:ガス溶接・自動溶接を除いた溶接作業経験が1年以上あること
●特別:普通取得後にガス溶接・自動溶接を除いた、ボイラーまたは第一種圧力容器の溶接作業経験が1年以上あること

合格率(令和5年度)

【普通】
●学科試験:68.2%
●実技試験:60.2%
【特別】
●学科試験:69.9%
●実技試験:87.2%

受験料

●学科試験:8,800円
●実技試験(普通ボイラー溶接士):24,000円
●実技試験(特別ボイラー溶接士):28,000円

※参考:公益財団法人 安全衛生技術試験協会

ボイラー整備士

一定の大きさを超えるボイラーもしくは第一種圧力容器の整備・点検・清掃に必要な、知識と技能を証明する資格です。

試験は学科試験のみで、ボイラー及び第一種圧力容器の知識ほか、整備の作業に関する知識、使用する機材・薬品などに関する知識、関係法令が出題範囲となります。

試験日程

例年6月・10月・2月の年3回

受験資格

条件なし

合格率(令和5年度)

69.6%

受験料

8,800円

※参考:公益財団法人 安全衛生技術試験協会

ガス溶接作業主任者

溶接における作業方法の選定・作業者の指揮を行う責任者としての、知識と技能を証明する資格です。

学科試験のみで、ガス溶接等の業務、アセチレン溶接装置及びガス集合溶接装置、アセチレンその他可燃性ガス、カーバイド及び酸素ほか、関係法令に関する知識が出題範囲となります。

試験日程

例年6月、12月の年2回 ※一部地域では6月の試験は実施なし

受験資格

なし

合格率(令和5年度)

77.4%

受験料

8,800円

※参考:公益財団法人 安全衛生技術試験協会

なお、受験資格はないものの3年以上の実務経験が目安と言われています。

【関連記事】溶接の資格の種類と取得方法・費用や活かせる仕事も分かりやすく解説

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製造業で有利な資格を取得するときのポイント

製造業で有利な資格を取得するときのポイント

資格取得には時間と労力、そして費用を要しますので、闇雲に取得することはおすすめできません。

最後に、製造業の資格を取得する際のポイントを2つご紹介します。

POINT1:実務に関連する資格を選ぶ

製造業の方が資格を取得する場合は「実務に関連する資格を選ぶこと」がおすすめです。

明確なキャリアプランがないにもかかわらず、実務に関連のない資格を取得しても、業務に役立たない可能性があります。

一方、実務に関連する資格であれば、仕事で培ったスキル・知識が活かせるため理解のスピードが早く、効率的な学習も期待できます。つまり、資格取得のハードルが下がります。また、実務に関連する資格取得を目指す場合、企業が学習費用や受験費用などを負担してくれる場合もあり、経済面でもメリットがあります。

POINT2:自分のスキルや知識のレベルに合わせて難易度を考慮する

はじめから難易度が高い資格取得に挑戦すると、挫折する可能性も高いです。そのため、現在のスキルや知識レベルを把握した上で、ご自身のレベルに合わせた資格取得を目指すことをおすすめします。

その上で、少しずつ難易度の高い上級資格にチャレンジしてください。 「自分の現在のレベルがわからない」「独学で勉強するのが難しい」などの場合は、資格スクールの利用も検討すると良いでしょう。

まとめ

今回ご紹介した資格は、製造業でのキャリアアップを目指す上で大変役立ちます。社内での評価・年収アップはもちろん、転職活動でも有利になることが期待できます。

なお、転職に際しては「資格をしっかりと活かせる求人」を選ぶことが重要です。

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