目次
求人に書かれている「履歴書不要」という文字を見て、「本当に履歴書が不要なの？」「怪しい求人ではない？」と疑問に思ったことがある人も多いでしょう。企業が履歴書を不要とするのには理由があり、それだけで怪しい求人とは言えません。
そこで本記事では、求人に履歴書不要と書いてある理由や、履歴書不要の仕事に応募するメリットについて解説します。応募する際の注意点や、面接に受かるコツについても紹介するため、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
「履歴書不要」と書いてあったのに必要になることはある？
「履歴書不要」という求人には、面接時にも履歴書が必要ない場合と、面接時には必要となる場合があります。そのため、履歴書不要とあっても、後々提出を求められることも考えられます。
履歴書は、応募者の情報を把握するための重要な書類です。履歴書不要の場合は用意する手間が省けるため、嬉しく思う反面、信用できる企業なのかと不安に感じる人もいるでしょう。しかし、企業が履歴書を不要とするのには理由があり、履歴書不要だからといって怪しい求人とは言えません。
履歴書不要と書いてある4つの理由
ここでは、履歴書不要と求人に書いてある主な４つの理由について解説します。
- 応募者数を増やしたいから
- 独自の採用シートがあるから
- 人柄を重視するから
- そもそも履歴書は必須の書類ではないから
1.応募者数を増やしたいから
履歴書を作成するのには手間がかかるため、気になる求人があっても応募を躊躇するケースが考えられます。企業が求人に履歴書不要と記載することで、応募のハードルが下がり、より多くの人々が求人に応募する可能性が高くなります。特に人手不足で迅速に採用活動を進めたい企業は、この方法を採用することが多いです。
2.独自の採用シートがあるから
履歴書にはさまざまなフォーマットがあり、採用に必要な情報が履歴書で収集できないことがあります。そのため、企業は知りたい情報を効率的に収集するために、独自の採用シートを用意して書いてもらうことも多いです。これにより、情報収集が効率化されるだけではなく、統一されたフォーマットによって情報の管理をしやすくなるというメリットも享受できます。
3.人柄を重視するから
学歴や職歴よりも、応募者の人柄を重視する企業は、履歴書不要と求人に書いていることが多いです。面接での話しぶりや態度から、企業はその人の性格や適性を見極めたいと考えています。そのため、履歴書が不要な求人では、面接でのコミュニケーションや自己PRが特に重要となるため、応募者はこれらを重点的に準備することがおすすめです。
4.そもそも履歴書は必須の書類ではないから
履歴書は応募時に必要となるケースが多いですが、そもそも履歴書は企業が従業員を雇うときに必須の書類ではありません。重要となるのは労働者名簿に記載が必要な基本情報であり、独自のフォーマットに記載されていれば問題ないのです。そのため、求人に履歴書不要と書いてあったとしても、怪しい求人であると疑う必要はありません。
履歴書不要の仕事に応募するメリット
求人に履歴書不要と記載することには企業側にメリットがあることは説明しましたが、応募者側にもメリットがあります。ここでは、履歴書不要の仕事に応募するメリットを解説します。
人手不足のため受かりやすい
履歴書不要の求人は、企業が人手不足ですぐに人員を補充したい場合や、応募のハードルを下げて多くの人に応募してもらいたい場合によく見られます。人手不足が履歴書を不要としている理由の場合、他の求人よりも採用される可能性が高いです。特に単発など短期の仕事では、スムーズに採用活動を進めたいという考えから、より受かる可能性が高いと言えます。
経験や学力を気にする必要が無い
履歴書を提出しないため、これまで長期間継続して勤務できなかった過去や転職を繰り返した過去があっても、それらが企業側に知られにくくなっています。このような背景を持つ人にとっては、過去の経験を気にせずに新しいチャンスを掴めるのは大きなメリットです。
経験や学歴ではなく、自分がやりたいことや得意なことを企業側にアピールできるため、自分の魅力や情熱を伝えやすいです。経験や学歴に自信がなくても、自分の強みや熱意を活かして働きたい場合には、非常に魅力的でしょう。
書類作成の手間が省ける
履歴書が必要な求人に応募する場合、履歴書の購入や、学歴や職歴の記入、証明写真の撮影や貼付などさまざまな手間が発生し、一つの企業に応募するだけで多くの時間がかかります。しかし、履歴書不要の求人に応募する場合は、そのような作業が必要なく、興味を持った仕事に気軽に応募できます。
履歴書を作成する手間が省けることで、一度に多数の企業に応募することも可能です。これにより、求職者はさまざまな選択肢を持ちやすくなり、自分にとって最適な環境や条件を持つ企業と出会いやすくなります。
履歴書不要と書いてある時に注意すべきこと
前述した通り、履歴書不要の求人でも面接時に提出を求められることがあります。また、他の求人よりも採用される可能性は高いですが、必ずしも採用されるわけではないため、受かるための準備が必要です。そこで、ここでは履歴書不要と書いてある時に注意すべきことを解説します。
応募時には不要でも面接の際に必要になることも
一部の企業では、求人に履歴書不要と記載していても、面接の際に提出を求められることがあります。急に提出を求められて準備が間に合わないという事態を防ぐために、あらかじめ履歴書に可能な範囲で記入しておくことがおすすめです。
また、Webで履歴書を作成してデータで保存しておけば、必要な時に迅速に提出できるうえに使い回しできるため、非常に便利です。
志望動機などを準備しておく
履歴書が不要な場合でも、面接の際に志望動機を求められるケースは少なくありません。また、企業独自の採用シートに志望動機の記入を求められることもあります。そのため、志望動機や自己PRは事前にしっかりと準備をしておきましょう。
また、履歴書を不要としている企業は人柄を重視する傾向にあるため、自信を持ってスピーディーに受け答えをすることや、ハキハキとした受け答えを心掛けることで、良い印象を与えられます。
嘘の情報は伝えてはいけない
履歴書によって経歴などを教える必要がないからと言って、嘘の情報を伝えてはいけません。採用後に嘘が発覚した場合、信用を失うだけではなく、バレてすぐに解雇される可能性があるからです。労働基準法第20条では使用者は労働者に対して、解雇をする場合には少なくとも30日前には予告をする必要があることが定められています。しかし、但し書きで労働者の責に帰すべき事由がある場合、使用者は30日前から解雇の予告をする必要がないことが定められており、「労働者の責に帰すべき事由」には嘘を伝えて入社することも含まれています。 採用されたいからと言って嘘を伝えても、後々バレて解雇される可能性は十分にあります。いきなり職を失って路頭に迷うことを防ぐためにも、必ず正しい情報を企業側に伝えなければなりません。
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
引用：労働基準法第20条
面接に受かるコツ
ここでは、面接に受かるコツについて解説します。
質問の意図を理解した回答をする
面接では正しい受け答えをすることはもちろん、相手の質問の意図を汲み取って、それに基づいた答えをすることで好印象を与えられます。仕事においても、事前に相手の期待や要望を読み取り、先回りして行動する姿勢が評価されます。
例えば、面接で自己PRを行う際、自身のスキルや得意分野だけを伝えるのではなく、それらがどのように業務で活かせるのかを具体的に説明して、企業が採用するメリットをアピールすることが重要です。
身だしなみを整える
面接における第一印象は、合否を左右するほど重要な要素とされています。見た目が相手に与える影響は大きく、どれだけ自分をアピールできても、見た目で悪い印象を与えてしまうと話の内容が伝わらない可能性が高いです。そのため、見た目でマイナスな印象を与えないように身だしなみを整えておくことは非常に重要です。
面接ではTPOを考えて、服装や持ち物を選ぶ必要があります。ヘアスタイルも印象を左右する要素であるため、髪を結んだり、目にかかりすぎないようにしたりするなど準備をしておきましょう。
面接で注意すべき身だしなみのポイントには、以下のようなものが挙げられます。
- TPOに合わせた髪色を選ぶ
- 前髪が目にかからないようにスタイリングする
- 顔色を良く見せるようなメイクを施す
- 派手な色のスーツやネクタイは避ける
- アイロンがかかったシャツを着用する
- ネイルをする場合は違和感のない色を選ぶ
目線を合わせて笑顔で受け答えをする
笑顔でハキハキとした受け答えをすることは、働くうえで重要なポイントです。また、会話中に目線を逸らしてしまうと、「応募者にこちらの考えが伝わっていないのではないか」「回答に自信がないのか」というように採用担当者を不安にさせてしまいます。
ポジティブな印象を与えて一緒に働きたいと思ってもらえるように、目線を合わせて笑顔で受け答えをするように心掛けましょう。
まとめ
履歴書は応募者の情報を知るための必要な書類ではありますが、従業員を雇う際に必須の書類ではありません。履歴書を不要にすることで応募者の増加を期待できるため、履歴書が不要という理由だけで怪しい求人というわけではないのです。
また、採用で履歴書を不要とするメリットを享受できるのは、企業側だけではありません。履歴書を作成する手間を削減できるだけではなく、人手不足のために受かりやすかったり、経験や学歴を気にせずに自分をアピールできたりするというメリットが応募者側にもあります。
ただし、求人に履歴書不要との記載があっても、面接時に提出を求められる場合があります。急に提出を求められても落ち着いて対応できるように、あらかじめ履歴書に可能な範囲で記入しておきましょう。Webで履歴書を作成しておけば、必要なときにすぐに提出できるため、おすすめです。
