目次
「短い間で退職することになったけど、どうやって挨拶をすればいい?」
「退職時の挨拶にマナーがあれば知りたい」
たとえ短い間だったとしても、円満に退職するためにはマナーに則った挨拶が欠かせません。
本記事では、退職までの流れと挨拶のマナーについて解説いたします。さらに、スピーチやメールの例文も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
退職するまでの流れ
退職までの流れを事前に知っておけば、円満な関係を築いたまま退職できるでしょう。
退職までの基本的な流れは以下の通りです。
期間 |
実行する内容 |
注意するポイント |
---|---|---|
退職日の1〜2ヶ月前 |
・上司に退職の意向を伝える |
・上司以外には伝えないこと ・社内に広まらないよう注意する |
退職の2〜3週間前 |
・後任への引継ぎを行う ・取引先への挨拶を行う |
・引継ぎ内容を整理・共有する ・取引先に対して丁寧な挨拶を心掛ける |
退職の1週間前〜2、3日前 |
・社内への挨拶を行う |
・感謝の気持ちを伝える |
退職当日 |
・挨拶を行い、お菓子などの手土産を持参する |
・手土産は不足がない様に人数分の量を渡す |
退職時の挨拶マナー4選
退職時の挨拶には守るべきマナーがあります。主な挨拶マナーは以下の4つです。
1. 感謝の言葉を必ず添える
2. マイナスな発言は控える
3. 退職理由の詳細は言わない
4. 退職日を正確に伝える
感謝の言葉を必ず添える
退職時には必ず感謝の思いを言葉で伝えるようにしてください。何も言わずに退職してしまうと良くないイメージを抱かれる可能性があり、転職先や今後の人生に影響が及ぶ可能性もあるでしょう。
在籍期間が数ヶ月程度と短い場合は、感謝の言葉の前に「短い間でしたが」というフレーズを必ず入れておきましょう。
マイナスな発言は控える
人や会社に対して、マイナス思考な発言やネガティブな発言をしてはいけません。印象が悪くなる発言をしてしまうと上司や同僚に遺恨が残り、トラブルに発展する可能性があります。
相手の事情にも配慮した発言を心がけることで、無用なトラブルを避けられます。「もう会わないからいいや」という態度ではなく、社会人として適切な言動を心掛けることが円満な退職につながるでしょう。
退職理由の詳細は言わない
退職理由の詳細を伝えることは、トラブルの原因につながる可能性があるため避けるべきです。理由を聞かれた際は「一身上の都合」という表現で伝えることが望ましいでしょう。退職理由を長々と説明する必要はないため、簡潔に伝えれば問題ありません。
転職先の情報も、基本的には伏せておいたほうが賢明です。ただ、信頼できる相手に対しては打ち明けても問題ないでしょう。
退職日を正確に伝える
退職日を正確に伝えることは、引き継ぎや退職手続きを円滑に進めるために重要です。退職日を曖昧にすると引き継ぎがうまくできず、上司や後任に迷惑をかけてしまう恐れがあるでしょう。
「◯月頃」「来週中」など曖昧にするのではなく、「◯月◯日に退職する」と意思を伝えることが大切です。「言った」「言わなかった」といったトラブルを防ぐために、退職届に退職日を記載することをおすすめします。
退職時の挨拶マナー(スピーチ編)
退職時には、スピーチを求められる場面があります。スピーチをする際は、以下のマナーを守りましょう。
- 短く・分かりやすく・簡潔に
- 話す内容を決めておく
- 社外の方には重ねて配慮をする
短く・分かりやすく・簡潔に
社内で退職の挨拶をする場面は、短く、わかりやすく、簡潔に伝えましょう。あくまでも業務中に、時間をもらってスピーチをするという状況だからです。
スピーチでは事前に準備と練習をしておくことが大切です。必要以上に長く話す必要はないので、簡潔に感謝の気持ちを伝えることを意識しておきましょう。
話す内容を決めておく
退職時はいつどこで挨拶を求められても対応できるよう、話す内容を事前に決めておきましょう。
「退職理由」や「今後の予定」などのよくある質問への返答は前もって用意しておくと、自信を持って即答できます。
社外の方には重ねて配慮をする
退職の挨拶は社内だけでなく、社外の関係者にも行うことが一般的です。社外の方に対しては、相手の事情に合わせて挨拶のタイミングを慎重に考える必要があります。
自分の後任者を紹介することも怠らないようにしましょう。可能であれば、取引先を伺うとともに、後任者を同行させて直接紹介しましょう。
退職時の挨拶のマナー(メール編)
退職までに直接会うことが難しい相手には、メールなどで挨拶をします。以下が、退職時にメールで挨拶を送る際のマナーです。
- 件名は3点セットで分かりやすく
- 送るタイミングに気を付ける
- 社外宛には後任の詳細を伝える
件名は3点セットで分かりやすく
退職のメールの件名は、一目で分かりやすいように3点セットの形式にしましょう。
- 社内宛の場合:退職のご挨拶+所属部署+氏名
- 社外宛の場合:退職のご連絡+会社名+氏名
多くのメールの中で埋もれてしまわないように、件名に「隅付き括弧【】」などを使って強調することもおすすめです。
送るタイミングに気を付ける
社外宛の場合、退職メールは2〜3週間前に送信することを心掛けましょう。退職直前に連絡すると会社のイメージを悪くしてしまう可能性があるため、早めにメールを送ることを徹底してください。連絡を受ける相手としても、2~3週間の余裕があれば担当者の変更がスムーズに行えます。
社内の報告メールに関しては、最終出社日にメールを送信しておくのがおすすめです。ただ、会社によって習慣が違うため、過去の事例を参考にしたり信頼できる上司に相談したりすることも大切です。
社外宛には後任の詳細を伝える
社外の関係者にとって、担当者の変更は不安を感じるものです。少しでも相手の不安を解消させるために、後任者の詳細を伝えておきましょう。
退職の挨拶メールには、後任者の担当部署名と名前、連絡先を必ず明記して伝えてください。退職日の記載も忘れないようにしましょう。
退職時の挨拶例文
退職時に、どのようなスピーチやメールが理想的なのか迷う人もいるでしょう。以下に、スピーチとメールそれぞれの例文を記載しますので、参考にしてください。
スピーチの例文
退職のスピーチは、短くシンプルに感謝を伝えることが大切です。お忙しい中、この度はご挨拶の時間をいただきありがとうございます。
私、〇〇は本日をもちまして、一身上の都合により退職することになりました。
在籍中は、皆様と共に業務に取り組む中で、たくさんの経験を重ねることができました。
一緒に働いてきた仲間たちとの絆や、一緒に困難を乗り越えてきた成果は誇りに感じております。
今後も、皆様のご健勝とご発展を心より願っております。
改めて、心から感謝の気持ちを伝えさせていただきます。
本当にありがとうございました。
メールの例文
メールで退職の挨拶をする際は、必要な情報をきちんと伝えることが大切です。件名:【退職のご連絡】〇〇会社(自分の名前)
お疲れ様です。
私事で恐縮ですが、この度、一身上の都合により△月◎日で退職することになりました。
本来であれば、直接ご挨拶に伺うべきところですが、
メールでのご挨拶になったことをお詫び申し上げます。
短い間でしたが、在職中は皆様には大変お世話になりました。
〇〇様のお人柄やご指導に触れられた経験は、私にとって大きな財産になっています。
これからもお会いする機会がありましたら、よろしくお願い申し上げます。
なお、後任者につきましては、〇〇課の(後任の名前)が就任いたします。
引き続き、(後任の氏名)にご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
・(後任者)の連絡先:〇〇-〇〇-〇〇
重ねてお礼を申し上げますとともに、〇〇様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。
どうもありがとうございました。
◯年◯月◯日
(自分の名前)
退職の挨拶以外に気を付けるべきこと
退職の挨拶以外にも、注意すべきポイントがあります。特に注意すべきなのが以下の3点です。
- 引き継ぎを責任もって行う
- 最終日には手土産をもっていく
- 整理整頓する
引き継ぎを責任持って行う
退職する際は、責任を持って後任者への引き継ぎを行いましょう。伝達の忘れがないよう、しっかりと時間をかけて引継ぎを完了させてください。
退職までのスケジュールを逆算して、周囲の人々にも協力してもらいながら確実に引き継ぎを進めていきましょう。さらに、後任者の状況や負担を考慮して、急に大量の仕事を押し付けないようにすることも大切です。
最終日には手土産をもっていく
感謝の気持ちを具体的に示すため、最終日には手土産を持っていくことをおすすめします。特に短い期間で退職する場合は、周囲の方々に迷惑をかけてしまうことも多いので、感謝の気持ちを形にして伝えることが大切です。
高価なものを持っていく必要はありませんが、お菓子などを渡す際は人数分以上を用意しておきましょう。
整理整頓する
後任者に迷惑をかけないよう、退職する前に自分のデスクや身の周りを整理整頓しておくことも重要です。会社から借りている資材や備品があれば、事前に返却することも忘れないようにしましょう。
退職後に郵送などで返却することも可能ですが、相手に手間をかけさせるため、できるだけ手渡しにするほうが賢明です。仕事に関係のない私物は、社内に残さずに必ず持ち帰ってください。
まとめ
退職時の挨拶のマナーを知っておくことで、トラブルを回避してスムーズに会社を辞められます。これまでお世話になった上司や同僚に感謝の言葉を伝えましょう。
退職理由の詳細を伝える必要はありませんが、退職日は早めに伝えておくことは大切です。社外の人に対しても早めに挨拶をして、後任者のことも紹介しておきましょう。本記事を参考にして、ぜひ退職の挨拶を準備してみてください。