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工場の仕事に興味はあるものの「どんな仕事か、漠然としたイメージしか湧かない」という方もいらっしゃることでしょう。
工場勤務は未経験からでも始めやすく、安定収入・高収入を得やすい魅力的な働き方です。しかし、働く前に、具体的な仕事内容やデメリットについても、きちんと理解しておく必要があります。
今回は工場の仕事内容、工場の種類、メリット・デメリット、そして、これから工場勤務を検討する人におすすめの5つの業種をご紹介します。
工場勤務を検討している方は、ぜひチェックしてください。
工場の仕事内容|働く人の作業一覧
工場での仕事内容は、以下のように多種多様です。
- 製造ラインでの作業
- 部品供給
- ライン管理
- その他
はじめに、工場勤務における仕事内容について、詳しく解説していきます。
製造ラインでの作業
製造ラインの仕事は、製品を製造するラインで行う作業です。主に流れ作業のルーティンワークとなりますが、製品や工程によって作業内容は異なります。
具体的には、以下のような作業があります。
- 部品の組み立て
部品を手順書に従って組み立てます。正確かつスピーディーに作業を進めることが求められます。製品によっては、非常に細かい部品を扱う場合もあるため、手先の器用さや集中力が必要です。
- 製品への加工
工作機械などを使い、製品に穴を開けたり、切断します。機械操作のスキルや正確性が求められます。NC旋盤やマシニングセンタなどの工作機械を扱うには、専門的な知識や技術が必要となる場合もあります。
- 製品検査
完成した製品にキズなどの不良がないかを目視や検査機器を用いて確認します。製品の品質を左右する重要な役割を担っており、高い集中力と責任感が求められる仕事です。
- 梱包・仕分け
検査を通過した製品を決められた個数で梱包し、出荷先ごとに仕分けします。丁寧な作業と、製品によっては重量物を持つ作業が発生するため、ある程度の体力が必要です。
部品供給
製造ラインがスムーズに稼働するために、必要な部品を適切なタイミングで供給する仕事です。 部品供給が滞ると、製造ラインがストップしてしまい、大きな損失につながることもあるため、 大変重要な仕事ということができます。
主な仕事内容は以下の通りです。
- 部品の運搬
倉庫から製造ラインへ、必要な部品を指定された場所まで運びます。台車を使ったり、フォークリフトを使用する場合もあります。
- ピッキング
出荷指示書に基づいて、倉庫内から必要な部品を集めます。膨大な数の部品の中から、正確に目的のものを探し出す情報管理能力が求められますが、現在はバーコードリーダーなどを使用する工場も多いです。
- フォークリフト操作
重い部品を運搬する際は、フォークリフトを使用します。フォークリフトの運転には、専門の免許が必要です。
ライン管理
ライン管理の仕事は、生産計画に基づき、製造ライン全体を監督し、製品の品質や生産性を管理することです。製造ラインがスムーズに稼働するように、納期を見越して様々な調整を実施する、現場の司令塔のような役割を果たします。
具体的には、以下の業務を行います。
- 必要な機械やスタッフの数の算定
生産目標を達成するために、何人の作業員と何台の機械が必要か計算します。人員や機械が不足すると納期遅延につながる一方、多すぎると無駄なコストがかかるため、正確な算出が求められます。
- 人件費算出
人件費がどれくらいかかるのかを計算します。
- 材料発注
必要量の材料を、適切なタイミングで発注します。材料が不足すると生産がストップするため、在庫管理も重要な業務です。
- 納期調節
顧客の要望に応えられるように、納期を調整します。顧客の信頼につながるため、非常に重要な調整です。
- スタッフの指導・マネジメント
スタッフが、円滑に作業を進められるように、安全・衛生・チームワークなども含め、適切な指示や指導を行います。
その他
上記以外にも、工場には様々な仕事があります。いずれの仕事も、工場の生産活動を支えるために欠かせないものです。
具体的なその他の業務には、以下のようなものがあります。
- 設備管理・メンテナンス
工場内の設備の管理やメンテナンスを行います。不具合や故障で設備が止まると大きな損失につながる可能性があるほか、事故につながる恐れもあるため、責任重大な仕事です。
- 接合・塗装
部品同士を溶接や接着などの方法でつなぎ合わせる作業です。塗装は、製品の表面に塗料を吹き付け、美しく仕上げるとともに、製品を腐食から守る作業でもあります。
- 事務・経理
事務の仕事は、電話対応や来客対応、書類作成など多岐に渡り、時には工場内の様々な人とコミュニケーションを取りながら業務を進めます。経理の仕事は、工場のお金の流れを管理する仕事です。
工場の種類
一口に工場といっても、製造する製品は様々です。
ここでは、代表的な工場の種類と、それぞれの工場の特徴を紹介します。
自動車工場
自動車工場は、その名の通り自動車を製造する工場です。
プレス加工、溶接、塗装、組み立て、検査など、工程ごとに工場が分かれていることも多いです。
近年は、ロボットによる自動化が進んでいる工場も多い一方、人の手による作業もまだまだ多く残っています。
自動車工場は大規模な現場が多く、多くの作業員が働いているため、体力があり、チームワークを大切にできる人材が求められます。
食品工場
食品工場は、私たちが日々口にする食品・飲料を製造する工場です。
原料の搬入、洗浄、加工、調理、包装、検査などが主な作業内容となります。
食品を扱うため、衛生管理が徹底された環境が整備されており、働き手にも、衛生服の着用や手洗い、消毒などを徹底する高い衛生意識や几帳面さが求められます。
電子部品工場
家電製品をはじめ、様々な電子機器に使われている半導体・液晶パネル・コネクタ・集積回路などの電子部品の製造・組み立て・組み付け、部品の加工・検査などを実施するのが電子部品工場です。
一部作業は、クリーンルームと呼ばれる、塵や埃の少ない環境で行われます。
非常に精密な作業もあり、集中力や手先の器用さ、丁寧さなどが求められます。
化学工場
化学薬品やプラスチック、医薬品、衣服の繊維など、私たちの生活に欠かせない様々な製品の原料となる化学製品を製造するのが化学工場です。
主な作業内容は、原料の運搬、化学反応のオペレーション、製品の精製、各種機器の操作、充填、検査などです。
化学工場は、危険物を扱うケースが多いため、安全管理が特に重要視されます。責任感が強く、安全に対する意識の高い人が求められます。
機械工場
自動車部品や産業機械、建設機械、農機具など、様々な機械を製造するのが機械工場です。
設計図面に基づいて、金属を切削したり、穴を開けたり、溶接・組み立てなどの作業を行います。機械工場は、NC工作機械などの自動化された機械が多く導入されており、それらの操作も重要な業務です。
ものづくりが好きで正確な作業ができる方、集中力と注意力を兼ね備える方が求められます。
工場勤務のメリット
工場には様々な種類があり、多様な業務があることが分かりました。
次は工場勤務のメリットを確認しましょう。
安定した収入を目指せる
工場勤務は、特に正社員雇用の場合、毎月安定した収入を得ることができます。社会保険はもちろんのこと、住宅手当や家族手当、通勤手当などの福利厚生が充実している企業も多いです。
実際に「令和4年分 民間給与実態統計調査」(国税庁)を見ると、工場勤務の平均年収は約533万円でした。業種平均は約458万円なので、収入面は非常に安定しているということができます。
未経験からでも始めやすい
工場勤務の仕事は、未経験から始められる求人が多く、特別なスキルや経験がなくても、チャレンジできる仕事がたくさんあります。
軽作業や覚えやすい単純作業の求人も多いためです。
また、多くの工場では新入研修やOJTなどの制度も用意され、丁寧に指導してくれるため、未経験者でも安心して仕事を始めることができます。
手に職をつけられる
工場勤務では、働きながら各工程の専門的知識や技術を身につけることができます。
また、製造業の特定の業務を行うためには、特別教育や技能講習を受けたり、免許を取得する必要がありますが、仕事に必要な資格取得の支援制度を設ける企業も多いです。
このように工場勤務は、手に職をつけ、スキルアップ・キャリアアップしやすい環境と言えるでしょう。
なお、身につけたスキルは、他の職場や業界で活かせるものも多く、転職にも有利です。
夜勤手当など高収入が期待できる
夜勤で22時~翌5時までの時間帯で働く場合、法律で定められた割増賃金(通常時給の1.25倍以上)の手当が支払われます。
また、残業が発生する場合もありますが、その際は法律で定められた割増賃金(残業代)が支払われます。
このほか、慰労金・入社祝い金などの特別手当が支給される場合もあり、未経験者でも高収入を目指しやすい職場と言えるでしょう。
工場勤務のデメリット
工場勤務にはメリットが多い一方、デメリットも存在します。
未経験者の方は特に、デメリットについても事前に理解しておきましょう。
体力的な負担がかかる
工場の仕事の中には、重いものの持ち上げ・運搬など、体力を必要とする作業も少なくありません。
また、工場の仕事には製造ラインなど、長時間立ちっぱなしの作業も多く、体力に自信がない方は負担に感じてしまう可能性があります。
単調な作業が続く
工場の作業の多くはマニュアル化されており、決められた手順に従って、同じ作業を繰り返すことも多いです。
そのため、慣れるまでは作業を単調に感じてしまうケースもあるでしょう。
しかし、単調に感じて集中力が切れると、作業の正確さやスピードに支障をきたすため注意が必要です。
生活リズムが崩れやすい
工場は、昼夜交代のいわゆる「二交代制」を採用しているケースも少なくありません。
二交代制では日勤と夜勤が繰り返されるため、生活リズムが崩れやすくなります。
勤務当初は、生活リズムの乱れから、体調を崩しやすくなる可能性もあるため、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠など、体調管理に特に配慮することが大切です。
危険が伴う作業もある
多くの工場では、作業員に対して、安全教育を定期的に実施していますが、怪我のリスクはゼロではありません。
様々な機械を使用するため、機械に巻き込まれたり、挟まれたりするなどのリスクがあります。
また、高所作業中に、足場から転落したり、物を落としてしまったりするなど、事故のリスクもあります。
AIに仕事を奪われる可能性がある
現在、製造業をはじめとする様々な業種で、AIやロボットの導入が進んでいます。
AIやロボットの導入によって自動化・省人化が進んだ場合、特に単純作業に従事する人材から、仕事が奪われていくことが懸念されます。
変化の激しい時代を生き抜くためには、常に新しい知識やスキルを身につける努力を続けることが大切です。
これから工場勤務を検討する人におすすめの業種5選
最後に、これから工場勤務を検討する人におすすめの業種を、5つご紹介します。
いずれも、今後さらなる進展が期待される分野ですので、ぜひご確認ください。
電気自動車(EV)関連
ガソリン車に代わる次世代自動車として、電気自動車(EV)の需要が世界的に高まっています。今後は世界的な環境規制の強化や、EVの低価格化などが進み、EV市場のさらなる拡大が予想されます。
実際に「ハイブリッド車・電気自動車の保有台数推移」(自動車検査登録情報協会)を見ると、日本における電気自動車の保有台数も増加。2002年にはわずか778台でしたが、2020年には119,159台にまで増加しました。
それに伴ってEV関連の工場では、部品製造のニーズも高まり、多くの雇用が創出されると考えられます。
再生可能エネルギー関連
地球温暖化対策として、再生可能エネルギーの導入が世界的に進んでおり、市場は今後も拡大していくと予想されています。実際に日本でも、2050年までにのカーボンニュートラル(実質的な温室効果ガス排出量ゼロ)達成を目指しています。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入が進むことで、再生可能エネルギー関連の工場では、太陽光パネルや風力発電の風車など、関連部品の製造ニーズが高まると考えられます。
医療機器製造
医療機器製造の工場では、人々の健康を支える様々な医療機器を製造します。
医療機器の需要は、高齢化社会の進展に伴い、今後も増加していくと予想されています。
さらに、AppleやGoogleをはじめとするグローバル企業がヘルスケアや予防医療への参入・投資をはじめており、医療機器は今後も安定的なニーズをキープし続けてゆくでしょう。
航空機部品製造
航空機産業は、世界的に成長を続けている産業です。
世界の人口増加に伴い、さらなる航空機の製造が必要とされており「20年で世界の航空機の数が現在の倍以上になる」との見方もあります。
日本の大手重工業もその製造を担っており、世界を相手にしたグローバル産業として、今後とも安定したニーズが見込める分野ということができるでしょう。
ロボット製造
製造業ほか、医療・介護・サービス業など、様々な分野でロボットの導入が進んでいます。具体的には、各業界でDXの一環として、省人化・自動化を目的にロボットを導入するケースが増えています。
さらに「戦略分野の検討「安全に移動する」」(経済産業省)によれば、日本のドローン市場は右肩上がりの成長が見込まれ、 2030年には1,000億円を超える見込みとされています。
このように、様々な種類のロボットを製造する仕事のニーズは、今後とも高まっていくことが予想されます。
まとめ
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