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職場を離れる理由として「人間関係」を挙げる人は一定いますが、特に「上司との相性」はその中でも大きなウェイトを占めています。しかし、転職活動で履歴書や面接で退職理由を問われた際に、「上司と合わなかった」と答えるのは気が引ける人も多いでしょう。実際、人間関係が理由の場合は正直に答えないのが無難です。
この記事では、退職理由が「上司と合わない」場合、どのようにその旨をネガティブにならずに伝えられるか、その書き方のポイントを解説します。
人間関係を理由に仕事を辞めている人は多い!
職場での人間関係は、仕事のやりがいや職場への満足度に大きく影響します。特に上司との関係性は、仕事の効率や職場の雰囲気を左右し、退職の大きな理由となることも少なくありません。
職場の人間関係は、仕事内容や待遇を上回るほどの影響力を持っていると言っても過言ではないでしょう。
実際、厚生労働省のデータによると、2021年度の1年間で転職入職者が前職を辞めた理由として「人間関係」を挙げた人の割合は、男性が8.1%、女性が9.6%でした。これは男女ともに、個人的な理由で辞めた人の中でも、労働条件の不一致についで多いものとなっています。
.辞める事由が「上司と合わない」場合の退職理由の伝え方
ここからは、「上司と合わない」をはじめ、人間関係を理由に退職する場合の事由の伝え方について解説していきます。
意識するポイントは、以下の3つです。
- 特定の人を批判するような表現は避ける
- 前向きな表現に言い換える
- 具体的なエピソードは控える
特定の人を批判するような表現は避ける
退職理由として人間関係を挙げる場合、特定の人物、特に上司を直接批判する表現は避けるべきです。第三者が聞いた際に単なる個人的な感情の問題と受け取られがちであり、プロフェッショナルな対応ではないと見なされる可能性があります。
また、将来的に新たな職場での信用を損なう原因にもなりかねません。
NG例文 |
NG理由 |
---|---|
上司のパワハラがひどく、精神的に追い詰められたため |
上司に対する批判は、協調性やコミュニケーション能力の欠如と判断される可能性がある |
同僚の足を引っ張る人がいて、仕事に集中できなかったため |
同僚に対する批判は、人間関係の構築能力の欠如と判断されかねない |
上司は最悪。会社はブラック企業 |
悪口や罵詈雑言は、人格や品性を疑われる可能性がある |
前向きな表現に言い換える
「上司と合わない」という退職理由を伝える際は、できるだけ前向きな表現を心がけましょう。
例えば、「新しい環境でさらにスキルを伸ばしたい」「異なる職場での経験を通して自己成長を図りたい」といった言い回しは、退職理由をポジティブな動機へと変換します。このように伝えることで、自己成長を求める積極的な姿勢をアピールでき、退職理由が「上司と合わない」というネガティブな動機だとしても、その印象を和らげることができます。
【言い換え例文】
NG例文 |
OK例 |
---|---|
上司のパワハラがひどく、精神的に追い詰められたため |
上司とのコミュニケーションに課題を感じ、より自分の意見を発揮できる環境で働きたいと考え、転職を決意しました |
具体的なエピソードは控える
退職理由を伝える際に、上司との具体的なトラブルやエピソードを詳細に述べることは避けましょう。聞き手によっては余計な誤解を生じさせる可能性があり、自身のプロフェッショナリズムを疑われることもあります。
ポイントとしては、具体的な出来事よりも、自身のキャリアプランや将来像に焦点を当てた表現を用いることです。
【書き方例文】
以前から〇〇に興味があり、その分野で更なるスキルアップを目指したいと考え、貴社への転職を決意しました。 |
人間関係で仕事を辞めるときの退職理由の書き方例文
ここからは、人間関係を理由に仕事を辞めるときの退職理由の書き方例文を紹介していきます。上司と合わないことが原因で退職する場合にも使えるので、ぜひ参考にしてみてください。
【退職理由の書き方例文】
〇〇の分野で更なるスキルアップを目指したいと考え、貴社への転職を決意しました。 |
退職理由で「一身上の都合」は使わない方がいい?
「一身上の都合」という表現は、現職を辞める際の退職届で使う場合は問題ありませんが、応募先への履歴書で使うのは避けるのが無難です。
この表現は、個人的な事情や家庭の問題など、自己都合による退職を指す場合に用いられます。詳細の説明を省けるので汎用性は高いものの、具体的でないために相手(採用担当者や面接官)が納得できない可能性が高く、逆に具体的な理由を尋ねられることがあるかもしれません。
具体的な状況や意向に応じて、適切な表現を選ぶことがおすすめです。
まとめ
職場の人間関係、特に上司との関係が原因で退職を考える場合、その理由の伝え方には注意が必要です。特定の人物を批判する表現を避け、前向きな言い回しを用いることが鍵となります。また、具体的なエピソードよりも、自身のキャリアプランや将来の目標に言及することで、プロフェッショナルな印象を保つことができます。退職理由を伝える際には、これらのポイントを踏まえたうえで、自己成長への意欲や将来への期待を前面に出すことが重要です。
なお、履歴書の書き方に不安を感じる場合は、転職エージェントなどプロの手を借りるのもおすすめです。書類の書き方をアドバイスしてもらえるだけでなく、実際に書いたものを添削してもらえます。模擬面接などのサポートを受けられることもあるので、転職活動を効果的に進めるためにもぜひ検討してみてください。