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転職活動において、面接で最も重要視されるのが「転職理由」です。
良い印象を与えるためには、誠実でポジティブな回答を心がけることが重要です。
この記事では、面接官が転職理由を聞く理由と、好印象を与える回答のコツ、さらには退職理由別の具体的な例文を紹介します。
転職理由はなぜ聞かれる?面接官が見ている3つのポイント
面接官は、転職理由を質問することで、応募者の人物像や価値観、入社後の定着性、熱意やモチベーションを判断しています。
具体的に何を知りたいのか、どのようなポイントに注目してみているのか、解説していきます。
長く勤めてくれるか
面接官は、応募者が新しい職場でも長期的に貢献できるかを見極めたいと考えています。過去の転職歴やその理由から、応募者の職場に対する忠誠心や安定した職歴を求めています。
社風や業務とのミスマッチはないか
企業にはそれぞれ特有の文化や仕事の進め方があります。面接官は、応募者がその環境に適応できるかどうか、以前の職場での経験を通じて確認しようとします。
仕事に対する意欲があるか
単に前職を辞めた理由を尋ねるだけでなく、応募者が新たな職場でどのように貢献しようと考えているか、その意欲を見極めるために転職理由を聞きます。給与や福利厚生、労働環境ばかりでなく、会社の商品やサービス、経営理念についても理解し、共感しているかどうかを見られるでしょう。
転職理由の答え方で面接官に好印象を与える4つのコツ
たとえ退職理由が同じでも、表現や伝え方によって面接官に与える印象は全く異なります。
ここでは、転職理由の答え方で重要な4つのコツを紹介します。
嘘の転職理由を創作しない
誠実さは面接でもっとも大切な要素の一つです。たとえ前職での経験がネガティブなものであっても、それをポジティブな学びや成長の機会として捉え直すことが重要です。
すべて包み隠さず話す必要もないため、「言わないこと」を決めておくのも効果的です。
前向きな表現にする
転職理由を話す際は、ネガティブな言い回しを避け、自己成長やキャリアアップを目指していることを強調しましょう。面接官に対して、前向きな印象を与えることができます。前職に対する不満や愚痴ばかりだと、他責で問題解決能力の低い人だと思われてしまいかねません。
回答に一貫性を持たせる
転職理由は、自分のキャリアプランや将来のビジョンと一致している必要があります。そのため、職務経歴書や履歴書、面接での話す内容が一貫性を持つようにしましょう。
根拠となるエピソードを交える
具体的なエピソードを交えることで、転職理由に説得力を持たせることができます。これは面接官に対して、自分の言葉に重みを持たせ、信頼性を高める効果があります。
【退職理由別】転職理由の回答例文
ここからは、好印象を与えるコツを押さえた転職理由の答え方を、退職理由別に例文とあわせて紹介します。
「職場の雰囲気」が退職理由の場合
「職場での人間関係」を理由に転職を決意する方は多いです。それぞれ、OK例とNG例を見ていきましょう。
OK例
【回答例文】 |
単に「職場の雰囲気が悪かった」と伝えるのではなく、「よりコミュニケーションが活発な環境で働きたい」「チームワークを重視する企業で働きたい」など、前向きな理由に言い換えて伝えましょう。
NG例
【回答例文】 |
不満をダラダラと述べたり、転職先でどうしたいかを述べずに「前職の職場では働きたくないと思っている」で終わらせたりすることはやめましょう。
「今の仕事が向いていない」が退職理由の場合
向いていないと感じる仕事を続けるのは辛いものです。向いていないと感じていても、転職理由を答える際は自分なりに努力した部分をしっかりと伝えると良いです。
OK例
【回答例文】 |
なぜ今の仕事が向いていないのか、自己分析に基づいて原因を分析し、それを伝えることで、転職理由に説得力が増します。仕事が向いていなかったとしても、自分にも反省点があったことを伝え、改善策を講じていることをアピールしましょう。
NG例
【回答例文】 |
「向いていなかったから仕事を変えたい」と事実だけを述べても、単に自分が適応する努力を怠っていると思われかねません。改善のために何もしていないと見なされれば、応募先でも「すぐにやめるのではないか」と懸念されてしまうでしょう。
「業界・職種を変えたい」が退職理由の場合
未経験の業界や職種に挑戦する方は、キャリアチェンジして何を実現したいのか、どのようなことに貢献したいか、前向きさをアピールすることがポイントです。
OK例
【回答例文】 |
なぜ現在の業界・職種を選んだのか、そしてそこでどのような経験やスキルを身につけたのかを伝えることで、面接官に自己分析の深さをアピールできます。単に「興味がある」ではなく、なぜその業界・職種に興味を持っているのかを具体的に伝えることが重要です。
NG例
【回答例文】 |
具体的に、「どんなことをやってみたい」「何に興味がある」のかを伝えなければ、応募先企業への意欲も薄いと思われるかもしれません。チャレンジしたい理由が漠然としすぎていると希望理由としては薄いため、具体性を持って伝えるようにしましょう。
「年収を上げたい」が退職理由の場合
年収を理由に転職する方も少なくありません。自分は何ができて、どのような成果を上げたかを具体的に話すことがポイントです。
OK例
【回答例文】 |
単に「年収が低い」と伝えるのではなく、「現在のスキルを活かして、より大きな貢献をしたい」「より責任のある仕事に挑戦したい」など、前向きな理由に言い換えて伝えましょう。
NG例
【回答例文】 |
給与が低かった愚痴だけを述べたり、転職先に求める条件として賞与やインセンティブの話ばかりしたりすると、マイナスな印象を与えかねません。「成果に対して正当な評価をしてほしい」など、具体的に希望することを伝えましょう。
「スキルアップしたい」が退職理由の場合
スキルアップは一見前向きな理由に聞こえるものの、即戦力を求めている中途採用においては注意が必要です。スキルアップするのはもちろん、どのように活躍していきたいかアピールしましょう。
OK例
【回答例文】 |
前職でスキルアップできなかった理由を伝えることで、転職の必要性をアピールできます。入社後にどのようにスキルアップを図るのかを伝えることで、意欲と計画性のアピールにもつながるでしょう。
NG例
【回答例文】 |
具体的に何のスキルを伸ばしたいのか、詳細がない回答の場合、ただ現状に不満があるだけだと思われてしまうでしょう。どのような業務でどういったスキルを伸ばしたいのか、詳しく伝えるようにしましょう。
「残業を減らしたい」が退職理由の場合
残業時間が多く、いわゆるブラック企業と呼ばれるような悪しき環境からの転職を検討している際にも、前職の不満や愚痴のように捉えられる表現は避けるのがベターです。
OK例
【回答例文】 |
単に「残業が多いのが嫌だ」と伝えるのではなく、「ワークライフバランスを実現したい」「効率的に仕事をして成果を上げたい」など、前向きな理由に言い換えて伝えましょう。
NG例
【回答例文】 |
ただ「残業が多い」とだけ伝えても、自分の問題解決能力や業務に処理能力が遅いだけだと捉えられる可能性もあります。なぜ残業の少ない会社へ転職がしたいのか、「家庭と両立する時間がほしい」「スキルアップのための学習時間を確保したい」など、理由もあわせて伝えると良いでしょう。