無期雇用派遣に向いている人とは？正社員との違いや特徴を解説

できるだけ安定して働きたい人に向いている雇用形態の一つが無期雇用派遣です。ただ、派遣契約について聞いたことはあっても、無期雇用派遣について初めて知るという方もおられるでしょう。比較的新しい働き方である無期雇用派遣について、他の雇用形態との違いや無期雇用派遣に向いている人、向いていない人の特徴などについて解説します。

無期雇用派遣とは？

無期雇用派遣とは、その名の通り、契約期間を決めずに派遣会社に所属していろんな派遣先の企業で働くことです。2015年の労働者派遣法（以下、派遣法）の改正により生まれた新しい雇用のかたちであり、目的の一つは若者のキャリア育成です。

有期雇用派遣と無期雇用派遣の違い

有期雇用派遣と無期雇用派遣の違いを表にまとめてみましょう。

正社員と無期雇用派遣の違い

無期雇用派遣と正社員にはどのような違いがあるのでしょうか？
給料や待遇は正社員と無期雇用派遣は似ていますが、雇われ先が大きく異なります。正社員は会社から直接雇用されているため、会社の指示に従って働きます。それに対して、無期雇用派遣はあくまでも派遣会社に雇用されているため、派遣会社の指示に従って動くことになります。また、給与や待遇なども異なり、正社員と比べると、不安定な雇用といえるでしょう。

無期雇用派遣に向いている人の特徴

ここでは、無期雇用派遣に向いている人の特徴について4つ取り上げます。

• 将来的に正社員になりたい人
• 未経験からでも転職できる仕事を探している人
• 安定した環境で働きたい人
• サポートを受けられる環境で働きたい人

以下、1つずつ解説します。

将来的に正社員になりたい人

1つ目の特徴は、将来的に正社員になりたい人です。派遣先によっては、派遣スタッフから正社員になる方法もあるため、正社員を将来的に目指している人は業務内容や環境を実際に経験できるメリットがあります。
もちろん、派遣期間中には、就業姿勢や業務成績は見られるため、正社員を目指す人は日頃の就業を責任もって取り組むことが大切です。ただ、会社によっては難易度が高く正社員になりにくいこともあるため、正社員としての登用を望むなら、事前に派遣会社に伝えておくと良いでしょう。

未経験からでも転職できる仕事を探している人

2つ目の特徴は、未経験からでも転職できる仕事を探している人です。無期雇用派遣を受け入れる派遣先には、未経験からでも働けるように研修やキャリア支援を行っている企業が多いため、未経験の職種であっても転職したい人は正社員ではなく、まずは派遣として入るのがおすすめです。正社員登用後も、同じ職場で働き続けられるので、未経験からでもスキルを身につけることができます。

安定した環境で働きたい人

3つ目の特徴は、安定した環境で働きたい人です。無期雇用派遣の場合、派遣会社の面接に合格して登録さえできれば、1つの派遣先の仕事が終了しても、別の派遣先を紹介してもらえるため、安定した環境で働き続けられます。また、無期雇用派遣のメリットとして、次の派遣が決まるまでの待機期間も給料が支給されるため、収入面での不安は少なくなります。

サポートを受けられる環境で働きたい人

4つ目の特徴は、サポートを受けられる環境で働きたい人です。無期雇用派遣の場合、派遣先の会社で勤務する上で不満があった場合には、雇用関係にある派遣会社に相談すれば、適切な対応を期待することができます。中には派遣先の上司や同僚には言いにくいこともあるため、派遣会社のサポートは心強いでしょう。

無期雇用派遣に向いていない人の特徴

ここでは、無期雇用派遣に向いていない人の特徴について3つ取り上げます。

• 自由に自分のタイミングで働きたい人
• 年収アップや昇格を目指したい人
• 職場を選んで働きたい人

以下、1つずつ説明します。

自由に自分のタイミングで働きたい人

1つ目の特徴は、自由に自分のタイミングで働きたい人です。
無期雇用派遣は、派遣会社に登録して働くため、派遣会社の指示に従う必要があります。そのため、自分の好きなタイミングで次の仕事や働く期間を決めることは難しいといえます。
それに対して、有期派遣契約であれば、自分が働きたい期間に合わせて仕事を探せるため、より自由な働き方ができるでしょう。

年収アップや昇格を目指したい人

2つ目の特徴は、年収アップや昇格を目指したい人です。
無期雇用派遣は、あくまでも派遣会社との雇用関係にあるため、直接企業に正社員として雇用される場合と違って年収アップはあまり見込めません。ただ、無期雇用派遣の中にも昇給が期待できる職場もあるため、事前に確認しましょう。
また、派遣先の企業では正社員としての昇格の機会は基本的にありません。そのため、昇格をしてどんどん年収を上げたい人には向いていないでしょう。逆にいえば、昇給よりも家族やプライベートを重視し、ワークワーフバランスをしっかり保ちたい人には無期雇用派遣はおすすめです。

職場を選んで働きたい人

3つ目の特徴は、職場を選んで働きたい人です。
無期雇用保険は、派遣会社に登録しており、派遣先を自分で好きなように選べるわけではありません。原則として、派遣会社から指示された職場で働かなければいけません。そのため、転職活動が苦手な人にとってはその手間が省けて良いかもしれませんが、職場の環境や待遇をしっかり考慮して働きたい人には向いていないでしょう。

無期雇用派遣になる方法

では、具体的に無期雇用派遣として働くにはどうすればよいでしょうか？ここでは以下の2つの方法について説明します。

• 求人に応募する
• 有期雇用派遣で経験を積む

以下、1つずつ説明します。

求人に応募する

1つ目は、直接無期雇用派遣に応募する方法です。ただ、登録派遣のように誰でも登録できるわけではなく、派遣会社が実施する面接に合格しなければなりません。また、職種によっては未経験からでは難しく、スキルや資格が求められることもあり、対策が必要です。

有期雇用派遣で経験を積む

2つ目は、有期雇用派遣で経験を積む方法です。一般的に、有期雇用派遣で経験を積んで、以下の3つの条件を満たせば無期雇用派遣に変更できます。

• 有期雇用期間での契約が5年以上
• 契約を1回以上更新している
• 同じ派遣先で継続して契約している

無期雇用派遣を目指す人は、派遣先にその旨を伝えておくと良いでしょう。

無期雇用派遣のよくある質問

最後に、無期雇用派遣のよくある質問を2つ取り上げます。

• 無期雇用派遣は事務職以外にも職種があるのか？
• 無期雇用派遣から一般派遣への切り替えはできるのか？

以下、1つずつ説明します。

無期雇用派遣は事務職以外にも職種があるのか？

無期雇用派遣の募集は、事務やオフィスワーク職が一般的です。ただ、時期にもよりますが、その他にも応募している職種はあります。例えば、製造業や工場勤務も無期雇用派遣を募集しているところもあります。

無期雇用派遣から一般派遣への切り替えはできるのか？

切り替えはできます。ただし、派遣会社によって切り替え方法が異なります。中には、一度退職してから切り替える企業もあるので事前に相談して確認しておくと安心でしょう。

まとめ

無期雇用派遣は、派遣先で勤務しながら業務内容や職場環境を体験して、正社員への登用を選択できる点で優れた雇用形態といえます。他方、無期雇用派遣の契約期間中は派遣会社の指示に従わなければならないため、自由な働き方を希望する方には向いていないかもしれません。無期雇用派遣が自分に向いているか分からない方は、一般の派遣登録をしてみるのも一つの方法かもしれません。

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