目次
「キャリアアップを転職理由にする際の注意点は?」
「転職理由の具体的な回答例が知りたい」
「キャリアプラン作成や企業研究はどう行う?」
このような疑問や悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。キャリアアップを理由に転職する方の中には、回答に悩んだり注意すべきポイントが分からなかったりする方もいるでしょう。
そこで本記事では、キャリアアップを転職理由にする方に向けて以下を解説します。
- 回答時の注意点
- 具体的な回答例
- 面接官を納得させるポイント
転職理由は面接時に必ず聞かれる質問なので、事前に準備し好印象を与えたいですよね。本記事を読めば注意すべきポイントがわかるので、納得できる転職理由を回答できるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
【関連記事】転職理由の答え方で失敗しない3つのポイント【退職理由別の回答例文つき】
キャリアアップを転職理由にする際は伝え方に注意
転職理由は、必ずと言っていいほど面接で質問されます。キャリアアップが理由であれば、正直に「キャリアアップのため」と答えても問題はありません。ただし、伝え方ひとつでポジティブにもネガティブにも捉えられるため、注意が必要です。
伝え方のポイントである、以下4つを順にチェックしていきましょう。
- 前職・現職の不満を伝えない
- キャリアアップしたい理由を明確に伝える
- 応募先企業に貢献できることを伝える
- 自分の強みも伝える
注意点1:前職・現職の不満を伝えない
転職理由を回答する際には、前職や現職での不満は伝えない方が無難です。
しかし、「キャリアアップしたい」という転職理由の裏には、以下のような不満や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- 給与が低い
- やりたい仕事ではない
- 残業時間が多い
- 今の業務内容ではスキルが身につかない
(※参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」)
しかし、抱えていた不満をそのまま面接官に伝えると「改善できたのでは?」「不満があるとすぐに辞めてしまうのでは?」などと、マイナスな印象を与えかねません。そのため、不満は伝えずに「転職して何を成し遂げたいのか」を中心に回答するのが重要です。
注意点2:キャリアアップしたい理由を明確に伝える
転職理由では、キャリアアップしたい明確な理由を面接官に伝えましょう。
「キャリアアップしたい」との回答は漠然としていて具体性に欠くため、面接官に好印象を与えられません。「なぜキャリアアップしたいのか」「なぜこの企業でなくてはいけないのか」を明確に提示する必要があります。
例えば、以下のように整理するとわかりやすいでしょう。
【キャリアアップしたい理由を深堀した例】
キャリアアップしたい理由 |
なぜ? |
さらに深堀する |
今より高いポジションに就きたい |
業務範囲を広げ、責任ある立場でチームをまとめたい |
マネジメントスキルや問題解決力を身につけ、スキルアップしたい |
専門性を高めたい |
業界の前線で働きたい |
AIに取って代われない仕事をしたい |
注意点3:応募先企業に貢献できることを伝える
面接時には、「キャリアアップしたい」という熱意だけでなく、応募先企業に何を貢献できるのか、具体的に示すことが重要です。
例えば、以下のような内容が挙げられます。
- マネジメントスキルを活かせる
- チームリーダーとしてまとめてきた経験がある
- 資格を保有している
- 特定の分野で専門性を高めてきた
キャリアアップでの転職は、前職のスキルや経験を活かせるのが強みです。面接官に「即戦力になりそう」「我が社の特色と合っているので貢献してもらえそう」などと好印象を持ってもらえるよう、転職理由には自分なら何を貢献できるのか盛り込みましょう。
そのためには企業研究を重ね、応募先企業と自分のキャリアプランが合致しているかを判断する必要があります。
注意点4:自分の強みも伝える
キャリアアップを転職理由にする際は、自分の強みも伝えることが必要です。強みがわかる具体的なエピソードを準備し、その強みが転職先でどう活かせるかを提示しましょう。
具体例は、以下の表をご覧ください。
強み |
エピソード |
転職先でどう活かすか |
マネジメントスキル |
チームリーダーとして10人の部下をまとめ、滞りなくプロジェクトを進めてきた |
個々の能力を最大限活かし、チーム・企業の目標達成に尽力する |
タスク処理能力 |
タスク管理を徹底し、1日の作業時間を30分減らせた |
効率的に進め、生産性を上げる |
問題解決力 |
過重労働の問題に対し、フローやマニュアルの見直しによって、残業時間を5時間減らせた |
課題を正確に把握して問題解決を図り、効率的に進める |
転職先でどう活かせるかは、企業の特色によって異なります。企業の求める人材を見極め、自分を採用するメリットを示すのが重要なポイントです。
キャリアアップを転職理由にする際の回答例文4選
転職理由は伝え方によって大きく印象が異なるため、注意が必要です。
面接時には「転職理由+実現したいこと+自分の強み・貢献できること」の流れを意識すると自然な回答になります。特に指定がなければ、200〜300文字を目安に記入しましょう。
ここでは、以下4つの目標ごとに具体的な回答例文を紹介するので、参考にしてください。
- 専門性を深めたい
- 上流工程に関わりたい
- 業務領域を広げたい
- 最新スキルを学びたい
専門性を深めたい
現職で取り組んできた分野の専門性をさらに深め、キャリアアップしてその道のプロフェッショナルを目指したい転職理由の場合は、以下の例文を参考にしてみてください。
例:人事部からの転職(208文字)
上流工程に関わりたい
キャリアアップし、現在取り組んでいる業務よりも上流工程で勤務したいとの転職理由の方は、以下の例文を参考にしてみてください。
例:プログラマーからの転職(268文字)
業務領域を広げたい
担当する業務領域を広げ、キャリアアップ・スキルアップを転職理由として考えている方は、以下の例文をご覧ください。
例:介護スタッフからの転職(251文字)
最新スキルを学びたい
最新スキルを学んでさらなるキャリアアップをしたいとの転職理由の方は、以下の例文をご覧ください。
例:システムエンジニアからの転職(296文字)
転職理由を聞かれたときに面接官を納得させるためのコツ
キャリアアップのため入社したい応募先企業から内定を得るためにも、転職理由の回答時に面接官を納得させる必要があります。
そのために、以下2つのポイントを意識しましょう。
- キャリアプランを作成する
- 企業研究を徹底的に行う
キャリアプランを作成する
明確なキャリアプランを作成しておくと、面接官を納得させるキャリアアップの転職理由を回答できる手助けとなります。キャリアプランとは、中長期的なキャリアの具体的な計画を指し、5年後や10年後の自分のキャリアを考えるきっかけにもなる工程です。
キャリアプランを作成するには、以下のポイントを押さえましょう。
ポイント |
内容 |
目的 |
---|---|---|
キャリアの棚卸し |
過去の経験を整理し、持っているスキル・知識・経験を洗い出す |
キャリアの方向性・自分の強みを知る |
将来像を練る |
5年後・10年後・20年後の中長期的なキャリアを想像する |
逆算し、やるべきことを明確にする |
これらのポイントを押さえれば、キャリアアップのために何が必要なのかがわかったり、自分の強みを活かしたアピールができたりします。
企業研究を徹底的に行う
面接に備えて、企業研究は徹底して行いましょう。企業研究をしていれば、「なぜ転職してキャリアアップを目指すのか」を明確に伝えるための材料となります。
企業研究は、以下を調査する必要があります。
基本情報 |
・設立年度 |
---|---|
特色 |
・事業内容(商品、サービス) |
応募条件 |
・雇用形態 |
項目名 |
・企業に対する印象 |
キャリアアップが転職理由の場合は、重点的に研究すべきなのは企業の特色です。企業研究を進める際は、自分が成し遂げたいことと、企業の業務内容や方向性が合っているかもチェックしながら進めていきましょう。
キャリアアップを転職理由にする際のよくある質問
ここからは、転職を進めていく上で出てくる疑問や悩みに関して、代表的な質問に回答します。
Q.転職理由を聞かれるのはなぜ?
面接では、必ずといっていいほど転職理由を質問されます。
質問する面接官の狙いは、以下を判断するためです。
- 転職理由と自社がマッチしているか
- 即戦力になるか
- 長く働いてくれるか
- 同じ理由で退職しないか
企業は、即戦力で長く働いてくれる人材を求めています。特に、キャリアアップが転職理由の場合は、前職でのスキルや経験、転職後に貢献できることをアピールしましょう。「残業が多かった」「給料が少なかった」などの不満は「同じことが起きたらまた退職するかもしれない」と判断される恐れがあるため、マイナスな発言は控えるのも重要なポイントです。
Q.キャリアチェンジとの違いは?
キャリアアップと似た言葉に「キャリアチェンジ」があります。混同しがちな言葉ですが、意味はまったく異なるため、整理しておきましょう。
キャリアアップは、同じ業界でスキルの向上や高いポジションを目指す過程を指します。前職・現職で培った経験やスキルを活かせるため、さらなる専門性の向上や給与・ポジションアップを望めるのがメリットです。一方のキャリアチェンジは、前職・現職とは異なる業界で一からキャリアをスタートする過程を指します。未経験でのスタートなので収入が減少する恐れや慣れるまで苦労する可能性がありますが、新しい挑戦ができるのはキャリアチェンジならではの魅力です。