「転職したいけど大手企業から内定はもらえる?」
「大手企業はメリットばかり感じるけどデメリットもあるの?」
転職活動を考えている人の中には、大手企業へ転職したいけど自分にできるのか不安になる方も多いでしょう。たしかに、大手企業への転職は簡単ではありません。しかし、ポイントを押さえて、自己分析と企業分析をしっかり行えば大手企業への転職は可能です。
そこで本記事では大手企業への転職の以下について解説します。
- 大手企業への転職が難しい理由
- 大手企業へ転職するメリット・デメリット
- 大手企業への転職を成功させるポイント
大手企業への転職を希望している方は、本記事を参考に対策をしてみましょう。
大手企業への転職が難しいと言われる理由
中小企業庁によると日本は99.7%の企業が中小企業で、大手企業は0.3%しかありません。数だけで大手企業への転職は難しいのがわかりますが、そのほかにも以下のような理由が挙げられます。
- 応募倍率が高い
- 求められるスキルが高い
- 学歴で判断される可能性がある
それぞれ、詳しく解説していきます。
応募倍率が高い
福利厚生が整っている、給与が高いなどの理由から大手企業へ転職を希望する人は多くいます。人気大手企業の応募倍率は、1人の採用枠に100人以上が集まるほどです。
また、下記のグラフはリクルートワークス研究所が発表している、従業員規模別の求人倍率です。求人倍率とは、1人あたり何件の求人があるかを示します。つまり、求人倍率が低ければ低いほど、競争率が高いということになります。なお、本データは新卒を対象としたデータですが、転職市場でも同じ傾向が見られます。
2024年3月卒予定の求人倍率は、従業員300人未満の中小企業が6.19倍なのに対して、5,000人以上の大手企業は0.41倍です。つまり、1人あたりの求人が1社もないことを表しています。そのため、大手企業で中途採用の求人が出ると、多くの転職希望者が殺到します。
しかし、応募者の中で秀でたスキルや、ポテンシャルがなければ採用は難しいでしょう。
求められるスキルが高い
中小企業の採用基準は「人柄」や「仕事への意欲」など、応募者自身の魅力や仕事に対する価値観などが重視される傾向にあります。一方で、大手企業は応募者の人柄や意欲などはもちろんですが、即戦力となる人材を求めているため、新卒のようにポテンシャル採用は少なく、スキルがなければ選考に通過できません。
中には、以下のような一定のスキルを応募条件として提示されるケースもあります。
- 前職で専門的なスキルや経験を身につけている人
- マネジメントを経験している人
- 語学力がある人
※参考:IIBC一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会『英語活用実態調査2019』
学歴で判断される可能性がある
応募人数の多い大手企業は、書類審査の段階で学歴を基準に合否を判断する場合が少なくありません。学歴フィルターと呼ばれていますが、イメージがよくないため学歴を基準にしていると公言している企業はないでしょう。
しかし、応募者が多過ぎると全員と面接するのは難しいため、書類審査の段階である程度人数を絞るために、学歴フィルターが取り入れられている企業もあるようです。
もちろん、学歴が低くても優秀な方はいますが、学歴の高い人には難関大学に合格するための「努力」「強い意志」があると評価されます。特に、学歴が重視されるのは総合職や営業職などの一般職です。一方、エンジニアといった技術職は、学歴よりもスキルや実務経験が重視されます。
大手企業へ転職するメリット
新卒や転職で昔から変わらず人気の高い大手企業は、ネームバリューから憧れを持つ方も多くいます。実際に大手企業への転職は、以下のようなメリットがあります。
- 給料が高い傾向にある
- 福利厚生が充実している
- 大きなプロジェクトに関われる
それぞれ入社後の仕事内容や満足度に関わる部分のため、転職活動時から給与や福利厚生は調べておくのがおすすめです。
給料が高い傾向にある
一般的に、大手企業は中小企業に比べて、基本給に加え賞与や各種手当が充実しているため給与が高い傾向にあります。大手企業へ転職したい理由として、最初に給与面を挙げる方も多いでしょう。
実際に国税庁が発表している「令和4年分民間給与実態統計調査結果」によると、事業所規模別の平均給与は以下の表のようになります。
大手企業(従業員5000人以上) |
中小企業(従業員30~99人) |
|
---|---|---|
男性 |
691万 |
508万 |
女性 |
316万 |
307万 |
男女計 |
538万 |
423万 |
特に、男性は大手企業と中小企業で平均給与の差が約180万と大きくあり、男女計でも100万以上の差があります。また、大手企業は労働組合が大きな力を持っている場合もあるため、経営陣と組合の協議の際に、昇給や賞与額の面で有利になる傾向があります。
福利厚生が充実している
企業によって内容は異なりますが、大手企業は中小企業と比較して福利厚生が充実している傾向があります。福利厚生は、企業が給与や賞与以外で利益をもたらし、働きやすさや社員とその家族の生活を向上させる施策です。
法律で定められている社会保険料などの「法定福利厚生」と、企業が独自で提供している「法定外福利厚生」があり、法定外福利厚生には具体的に以下のような内容があります。
- 住宅や通勤に関する手当
- 社員食堂やフィットネスジムの提供
- リフレッシュや子育てを目的とした特別休暇
- カフェテリアプラン
カフェテリアプランとは、ポイントを社員に付与して、必要なメニューを選べる福利厚生サービスです。ライフスタイルが多様化している現代は、自由に選択できる福利厚生は社員にとっては非常に高い満足度があります。
大きなプロジェクトに関われる
安定した資金力と社会的信用の高い大手企業は、中小企業に比べて規模の大きなプロジェクトに関われるチャンスがあります。業界内の最先端事業や国家プロジェクトに関わる事業など、大手企業だからこそ経験できるメリットです。自分が関わった商品やサービスが世に広まり、より良い社会やお客様が喜ぶ姿は、大きなやりがいにつながります。
また、大きなプロジェクトに関わる人たちは高度な技術や知識を持ち、優秀な人材が集まります。その中でプロジェクトを遂行することは、ビジネスマンとしてのスキルアップになるでしょう。
大手企業へ転職するデメリット
メリットばかりに思える大手企業への転職ですが、以下のようなデメリットも考えられます。
- 年功序列の風潮が強い
- 仕事の範囲が限定的になりやすい
- 転勤や異動の可能性がある
メリット・デメリットをよく考えて、大手企業と中小企業どちらが適しているのか考えてみてください。
年功序列の風潮が強い
大手企業には、年功序列の考え方が根強く残っている企業もあります。勤続年数が長い社員ほど給与や役職が優遇される人事制度ですが、年功序列の風潮が強い企業に転職するには、以下のようなメリット・デメリットが考えられます。
メリット |
デメリット |
・長く勤めれば給与が上がる |
・給与が上がるのに時間がかかる |
転職する人の中には、給与を上げたい、成果を正当に評価してほしいと考えている方も多いのではないでしょうか。若手でも実力を発揮して活躍したい、または成果を給与に反映させたい方は、成果主義で評価する企業がおすすめです。大手企業に限らず、中小企業やベンチャー企業も視野に入れましょう。
仕事の範囲が限定的になりやすい
大手企業は縦割組織になっている場合が多く、業務が細分化され限定的になりやすい特徴があります。例えば、中小企業の人事部は採用から研修までを一貫して担当する場合もありますが、大手企業は新卒採用担当・中途採用担当・研修担当のように細分化されていることがほとんどです。
企業にとっては業務の効率化や生産性の向上などメリットがありますが、社員にとっては部署全体の業務が把握できず、幅広い業務を経験できない点がデメリットです。しかし、考え方を変えれば専門性の高い仕事をできるメリットにもなります。転職する際は、さまざまな業務を経験したいのか、専門性を追求したいのか考えて応募先を検討しましょう。
転勤や異動の可能性がある
企業規模が大きいほど全国各地または海外に支店を持っているため、大手企業は転勤の可能性が高くなります。家族が同意していない、地元を離れたくないと考えている方にとっては大きなデメリットです。
しかし、新しい環境での仕事は刺激や学びがあり、人脈を広げるチャンスでもあります。新しい環境へ飛び込むことにワクワクできる方は、自分のキャリアや人生を豊かにする機会になるでしょう。
また、大手企業はさまざまな部署・職種に異動する「ジョブローテーション」と呼ばれる教育制度を取り入れている企業もあります。さまざまな業務を経験できる制度ですが、希望部署・職種が決まっていたり、専門性を追求したりしたい方にはデメリットになります。
大手企業への転職を成功させる4つのポイント
大手企業への転職を成功させるには、以下のポイントを押さえながら転職活動を行いましょう。
- 大手企業の求める人物像を理解してスキルを身につける
- スキルを活かせる業界・職種を選ぶ
- 長期的なキャリアで考える
- 転職サイトを利用する
短期間で転職活動を終わらせたいと考える方も多いと思いますが、現状のスキルによっては長期的なキャリアで考えるのも大切です。
大手企業の求める人物像を理解してスキルを身につける
大手企業が中途の求人を出す際、人員不足だけでなく、何かしら問題や新規事業の展開などの理由があります。企業側に採用したいと思わせるためには、求める人物像やスキルを分析して、自分が当てはまっているとアピールするのが重要です。
求める人物像を分析するには、以下のような方法があります。
- 企業の経営理念や行動指針を確認する
- 事業や組織が抱える課題について考える
- 実際に商品やサービスを利用する
- 経営者のインタビュー記事や書籍を読む
- 活躍している社員のマインドやスキルを把握する
求める人物像やスキルをつかんだら、自身の経験からアピールできる要素を選定します。スキルが足りなければ、見合う資格を取得するのも有効です。前職での実績や資格などでアピールできれば、求める人物像に当てはまっていると採用担当者を納得させられます。
スキルを活かせる業界・職種を選ぶ
転職活動の期間は、一般的に3ヶ月~半年程度といわれています。時間をかけたくない方は、現状のスキルを活かせる業界・職種を選ぶと最短での転職が可能です。中途採用は即戦力となる人材を求めている場合が多いため、スキルがあれば採用してもらえる可能性が高くなります。
まずは、現状で自分にどんなスキルや資格があるか自己分析しましょう。例えば、業界ごとに活かせるスキルや資格は、以下の表のようになります。
業界・職種 |
活かせるスキル・資格 |
---|---|
不動産業界 |
・営業力 |
保険業界 |
・コミュニケーション能力 |
外資系企業 |
・コミュニケーション能力 |
事業内容によっては上記の表がすべて当てはまるわけではないため、しっかりと企業分析しましょう。
長期的なキャリアで考える
最終目標が大手企業への転職なら長期的なキャリアで考えて、中小企業やベンチャー企業で実績を積むのもひとつの選択肢です。現状でスキルが足りないと感じている方は、大手企業からなかなか採用をもらえない可能性があるためです。
まずは、目指している業界・職種の中小企業やベンチャー企業に転職して、大手企業にアピールできるスキルや実績を積み上げましょう。
また、大手企業は新卒採用を主にしている場合もあり、タイミングによっては中途採用の求人が出ていない時期もあります。焦って短期間で決めようとせず、長い目で情報を集め自分の力を発揮できる企業を探すことも大切です。
転職サイトを利用する
転職活動する際、ハローワークを利用したり直接企業に応募したりする方法もありますが、おすすめは転職サイトを利用する方法です。
転職サイトを利用した転職活動は、以下のようなメリットがあります。
- 手軽に応募できる
- 自分のペースで進められる
- 検索機能で効率的に企業を探せる
とはいえ、転職サイトも数が多く、どのサイトを利用すればいいのか迷う方もいるでしょう。おすすめの転職サイトは、業種や雇用形態などのジャンルが多く求人数も豊富なサイトです。
転職サイト工場求人ワールドは、全国各地の幅広いジャンルの求人を掲載しています。正社員から派遣社員、アルバイトなど雇用形態もさまざまです。未経験者OK・寮あり・ネイルOKなどこだわりの条件からも検索できるため、希望の求人が見つかります。
大手企業への転職でよくある質問
ここでは、大手企業への転職でよくある質問に答えていきます。
求人数が多い業界は?
求人数が多い業界に絞れば、大手企業でも転職できる可能性が高くなります。特に、以下のような人手不足の業界は、大手でも人員確保のため求人数が多い傾向にあります。
- IT
- 運送
- 飲食
- 介護・福祉
- サービス
IT・運送業界は現在勢いがあり、今後の成長も見込めるおすすめの業界です。IT業界はプログラミングスキルやITパスポート、運送業界は中型・大型免許があるとアピールになります。また、飲食・介護・福祉・サービス業界は、未経験でも転職しやすい業界といわれています。
第二新卒でも大手企業に転職できる?
即戦力として求められる30代以降はスキルや実績を重視されますが、25歳前後の第二新卒はポテンシャル採用で転職できる可能性があります。
第二新卒の採用は、企業側にとっても以下のようなメリットがあるためです。
- 基本的なビジネスマナーが身についている
- 仕事に対する意欲が高い
- 柔軟性と適応力が高い
基本的なビジネスマナーや仕事の進め方は身についていますが、前の会社に染まり切っていない第二新卒は、新しい会社でも柔軟に適応可能です。新卒採用に比べてお互いのミスマッチも少なく、企業にとっても第二新卒の採用は大きなメリットがあります。
ただし、第二新卒で大手企業への転職は中小企業よりもハードルが高いため、少しでもアピールできるスキルや実績があると採用の可能性は上がるでしょう。
女性でも大手企業に転職できる?
女性もキャリアアップや子どもを育てながらはたらきやすい環境を求めて、転職を考える人が増えています。男女雇用機会均等法では性別を限定した募集は禁止されているため、女性でも大手企業への転職は可能です。ただし、企業側も長く働いてくれる人を採用したいと考えており、妊娠や出産のタイミングによっては採用ハードルが高くなる可能性もあります。
転職を考えるなら第二新卒のタイミングや、子どもが小1の壁を乗り越えた小学2年生になってからのタイミングがおすすめです。また、事前に転職サイトやホームページなどで女性の比率や産休、育休の取得率などについてチェックしておきましょう。
まとめ
大手企業への転職が難しい理由やメリット・デメリットについて解説しました。給与が高い、福利厚生が充実しているなどのメリットがある大手企業は、多くの人が入社したいと応募するため、企業が求めるスキルも高く採用されるのは容易ではありません。
しかし、企業分析と自己分析して、企業の求める人物像やスキルと自分がマッチすれば、大手企業への転職は可能です。
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